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飯塚行政書士事務所へ依頼するメリット

  1. 税理士事務所を併設しているため、設立だけでなく、設立後の経理、決算まで窓口一つで相談できる。
  2. 予算立案、実績管理など経営相談もできる。
  3. 組織運営にかかわる様々な問題について相談できる、提携の社会保険労務士、司法書士、弁護士などの専門家ネットワークを有する。

特定非営利活動法人(NPO)法人とは

NPOとボランティア団体、NPOとNPO法人との違い

NPOのなかに、ボランティア団体、NPO法人を含めて考えます。

NPOの意味とボランティア団体

NPOとは「Non=非」「Profit=利益」「Organization=組織」の頭文字をとった略語で、一言で表すと「営利を目的とせず、社会貢献活動を行う民間の組織」と定義できます。

一方、ボランティアを一言で表すと「個人が善意で行う個々の活動」となります。この活動が広がり、定例化し、会の名前を付けたり、メンバーの名簿を作るなどして、活動報告をする段階になれば、 組織体としてのボランティア団体と呼ばれるようになります。さらに活動が活発化し、会則を定めたり、役員会や代表者を置いたりするようになり、 人が入れ替わっても組織の同一性が失われず、継続的に活動を続けていれば本格的なNPOと言えるでしょう。

いずれにしても、ボランティア団体は、ボランティアが組織化していくという活動の発展経緯において、NPOの分類に含めるのが一般的です。

NPOの分類体系

  • ①最も狭義の意味では、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき、特定非営利活動法人(NPO法人)になった団体のみを指します。
  • ②最も一般的なNPOの使い方で、①に加えてボランティア団体や市民活動団体といわれる団体を指します。
  • ③広義の理解で、公益社団(財団)法人、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、NPO法人、ボランティア団体など、すべての営利を目的としない公益団体を指します。
  • ④最も広い意味で、営利団体以外のすべての団体を指します。この場合は、上記の団体に農協や生協、共済組合、自治会、町内会や一般社団(財団)法人などの共益団体を含めます。

NPO法人が注目される理由

機動性・柔軟性に富んだNPOの活動は、新しい「公益」の担い手として、企業や行政にはないさまざまな可能性を秘めているからです。

特定非営利活動法人(NPO法人)の活動目的

NPO法人が活動できる分野とその内容の制約について

特定非営利活動促進法(NPO法)は、NPO法人の活動目的について以下の点を挙げています。

  • ○ NPO法第2条第1項別表の20項目のいずれかの活動を行うことを主たる目的としていること(第20号に該当する活動は、埼玉県では定めていません。〔H29.4.1現在〕)
  • ○ 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的としていること
  • ○ 営利を目的としていないこと
  • ○ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと
  • ○ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと
  • ○ 特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと
  • ○ 暴力団、又は暴力団やその構成員若しくは暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者の統制の下にある団体でないこと
  • ○ 特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として事業を行わないこと
  • ○ 特定の政党のために利用しないこと

(1)活動分野20項目(NPO法第2条第1項)の内容

  • ①保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  • ②社会教育の推進を図る活動
  • ③まちづくりの推進を図る活動
  • ④観光の振興を図る活動
  • ⑤農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  • ⑥学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • ⑦環境の保全を図る活動
  • ⑧災害救援活動
  • ⑨地域安全活動
  • ⑩人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  • ⑪国際協力の活動
  • ⑫男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  • ⑬子どもの健全育成を図る活動
  • ⑭情報化社会の発展を図る活動
  • ⑮科学技術の振興を図る活動
  • ⑯経済活動の活性化を図る活動
  • ⑰職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  • ⑱消費者の保護を図る活動
  • ⑲前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
  • ⑳前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

NPO法人の利益について

利益をあげてもかまいません。ただし、利益の分配について制限が課せられています。

特定非営利活動法人(NPO法人)の組織の要件

NPO法人は10人いれば組織として成り立つ

10人いれば、NPO法人は設立できます。NPO法人の構成・組織についての要件としては以下の点があげられます。

  • ○ 常時10人以上の社員がいること(理事と監事も社員になれます)
  • ○ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件をつけないこと
  • ○ 社員総会を年1回以上開催すること
  • ○ 3人以上の理事、1人以上の監事をおくことなど

特定非営利活動法人(NPO法人)の運営上の特徴

NPO法人の会計処理は大変なの?

会計処理の大変さは、一般の会社と同等と考えてよいでしょう。ただし、NPO法人ならではの会計ルールがありますので、注意が必要です。

なぜ、特定非営利活動促進法(NPO法)に情報公開が義務付けられているの?

活動の公益性を市民に判断してもらうため、情報公開が義務付けられました。

任意団体を法人化する際のメリットと制約は?

法人化のメリットは、契約形態を個人から組織に切り替えられ、情報公開制度などによって社会からの信頼を得られやすくなることです。一方、制約には各種報告書の作成や課税といった義務が生じます。

法人設立までの手続き

設立認証の手続のながれ

特定非営利活動法人を設立するためには、所轄庁の認証を経て法務局で法人としての登記を行う必要があります。おおまかな流れは以下のとおりです。

設立の準備から申請まで

STEP01

①準備会(発起人会)

  • 設立者が集まって相談
  • 特定非営利活動法人の要件の確認
  • 「定款(案)」を作成
  • 「設立趣旨(案)」を作成
  • 「事業計画(案)」を作成
  • 「活動予算(案)」を作成
  • 設立代表者を事前に選定(設立代表者と代表理事が別人でも理論上は可能)

STEP02

②設立総会を開催

設立総会(設立者と社員が集まって設立の意思を決定する会議)を開く

  • 法人設立の意思を決定
  • 定款、事業計画、活動予算を議決
  • 代表者(一般的には代表理事になる人)を選任
  • 理事、監事を選任

STEP03

③申請書類作成

  • 必要な書類の作成を行う。
  • 申請書
  • 添付書類

※STEP1~3の法人設立及び申請書類に関する事前相談等を主たる事務所の所在地を所管する担当機関で行っております。


STEP04

④申請書類提出

  • 設立認証申請書と添付書類を提出
    (できれば、代表理事になる方が申請されることをお勧めします)

STEP05

⑤設立申請書類受理

  • 設立申請書類の提出先は、原則として、主たる事務所の所在地を所管する担当機関になります。
  • 公表事項:「申請のあった旨」、「申請のあった年月日」、「特定非営利活動法人の名称」、「代表者の氏名」、「主たる事務所の所在地」及び「定款に記載された目的」
  • 縦覧書類:定款、役員名簿、設立趣旨書、事業計画書、活動予算書

STEP06

⑥認証/不認証の決定・通知

  • 公表
  • 縦覧
    受理日から1か月
  • 審査
    受理日から、3か月以内
    (縦覧期間終了から2か月以内)
  • 認証決定通知
    *法人の印鑑や代表理事の印鑑証明など、認証後の手続に必要な書類等の準備
  • 不認証決定通知
    *不認証の場合、所轄庁はその理由を書面で示します。再申請する場合は、②又は③からやり直します。
    *不認証について異議がある場合は、行政不服審査法に基づく異議申立てができます。

*埼玉県の標準的な処理期間は55日です。

STEP07

⑦法務局で設立登記申請

通知を受けた日から2週間以内に登記

STEP08

⑧登記事項証明書を取得

STEP09

⑨設立登記完了届出書提出

*添付書類として登記事項証明書(正本1部・写し2部)・財産目録(3部)を提出

STEP10

⑩各種届出(税務・労務等で必要な事業所開始手続)

STEP12

⑫閲覧又は謄写

  • 閲覧書類
  • 事業計画書
  • 活動予算書
  • 財産目録
  • 役員名簿
  • 定款
  • 認証及び登記に関する書類の写し

*閲覧は無料ですが、謄写(コピー)は有料です。

設立申請に必要な書類

提出書類一覧

設立認証申請書については書式が定められています。

書類名 提出部数
設立認証申請書
定款
役員名簿
各役員の就任承諾及び誓約書の謄本(コピー) 各1
各役員の住所又は居所を証する書面 各1
社員のうち10人以上の者の名簿
確認書
設立趣旨書
設立についての意思の決定を証する議事録の謄本(コピー)
10 事業計画書(設立当初の事業年度及び翌事業年度)
11 活動予算書(設立当初の事業年度及び翌事業年度)

特定非営利活動に係る事業とは別に、その他の事業を行う場合は、「事業計画書」(設立当初の事業年度及び翌事業年度)への記載とともに「活動予算書」 (設立当初の事業年度及び翌事業年度)に記載(特定非営利活動に係る事業とは別欄表示)することが必要になります。

定款

定款は、法人を運営するための原則であり、団体の自治のルールです。同時にどのような目的で、どのような事業を行い、団体としての意思決定はどこで行われるのか、 事業の評価をどこで行うのか、対外的な代表権は誰にあるのか、などを社会的に明らかにするという意味があり、認証申請の添付書類等の中でも最も重要なものです。 法人は、法令の規則に従い、定款に記載された内容の範囲内で権利を有し、義務を負います。

絶対的記載事項

定款には、法の定める絶対的に記載しなければならない事項があります。以下に掲げる事項が記載されていないと、不認証事由となりますので注意してください。

絶対的記載事項 備考
目的 団体の目的
名称 団体の名称
その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類 活動の種類は20項目から選択します。 具体的な事業名を記載します。
主たる事務所及びその他の事務所の所在地 住所の記載については、最小行政区画(市町村)の表記でも可能です。
社員の資格の得喪に関する事項 社員になるための条件等を記載します。
役員に関する事項 役員の人数、任期、権限等を記載します。
役員の任期は、2年以内です。
役員の数は、理事3人以上、監事1人以上でなければなりません。
会議に関する事項 会議の構成、開催等に関して記載します。
通常社員総会は、年1回以上開催しなければなりません。
総会の招集方法について記載します。
資産に関する事項 資産の構成等について記載します。
会計に関する事項 会計の原則、会計の区分などについて記載します。その他予算決算等について記載します。
事業年度
その他の事業を行う場合には、その種類その他当該その他の事業に関する事項 その他の事業の種類及び関係する事項を記載します。
解散に関する事項 解散の議決要件等について記載します。
定款の変更に関する事項 定款変更の議決方法について記載します。
公告の方法 法人の公告の方法について記載します。
設立当初の役員

相対的記載事項

定款に記載することによって法が定める要件を変更することができる事項があります。
◇ 団体の最も適した運営方法を考えて、必要に応じて定款に記載してください。
◇ 定款で特に定めがない場合は、法令がそのまま適用されます。

<主な記載事項の例>

相対的記載事項 備考
制限に関する事項 理事の職務 理事は、一人ひとりが法人を代表できますが、定款で定めることでその代表権を制限できます。
定数の増減に関する事項 臨時総会開催の請求に必要な社員数 法では、社員総数の 1/5 以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。
定款の変更に関する社員総会の議決 法では、社員総数の 1/2 以上の出席と、その出席者の 3/4 の多数をもって議決しますが、定款で定めることで増減できます。
解散の決議に関する社員総会の議決 法では、社員総数の3/4以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。
合併の決議に関する社員総会の議決 法では、社員総数の3/4以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。
その他規定に関する事項 総会における議決事項 事前に通知されるものとされていますが、定款で定めることで例外規定をおくことができます。
総会に関しての書面表決権及び代理人出席 法では、書面又は代理人出席による表決が認められているほか、定款で定めることにより、電子メ ールなどの電磁的方法で表決することもできます。
解散の事由 社員総会の決議、特定非営利活動に係る事業の成功の不能、社員の欠亡、合併、破産手続開始の決定、所轄庁による認証の取消し以外にも定款で定めることで、解散の事由を規定することができます。
残余財産の帰属先 定款に、特定非営利活動法人、公益社団法人などを帰属先として定めることができます。定款に定めのない場合は、所轄庁の認証を得て、国又は地方公共団体に譲渡できます。それでも処分されない財産は国庫に帰属します。

任意的記載事項

定款は、私的な自治のための文章でもありますから、団体の運営にとって必要な規定を法令に違反しない限り、自由に書き込むことができます。

◇ 以下のような定款は不認証になる場合がありますので注意が必要です。

  • 定款の変更を禁止する定め…時代の進展につれて自主的活動を続けようとする特定非営利活動法人の特質から考えて、無効な規定と考えられます。
  • 退会を認めない旨の定め…法第2条第2項第1号イ(社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと)に抵触した場合不認証となります。
  • 全権限を理事に与える定め…最高の意思決定機関である「社員総会」の権限を侵すものであれば認められません。
  • 残余財産を社員に分配する定め…非営利団体という性質上認められません。